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チェイサー




監督:ナ・ホンジン/新宿シネマスクエアとうきゅう/★2(40点)本家公式サイト

どうやら、「冷静沈着」「頭脳明晰」という言葉はないらしい。日本の警察機構好きからしたら、韓国警察は馬鹿すぎて腹が立つ。
本年度最大の衝撃!
というキャッチコピーだが、まー衝撃、まービックリした。
何がビックリしたって、あらすじや宣伝から「だいたいこういう内容かなぁ?」と想像したものが、ものの15分か20分程度で全部提示されてしまう。
その後どんな想像を超える展開が待ち受けているかと期待したら、何一つ事態は展開しない。まービックリした。延々1時間半以上、主人公達が右往左往しているだけ。何一つ話が転がっていかない。衝撃。

この最大の原因は、我々観客を神視点に置いてしまったことにあると思う。

だって俺たち犯人分かってんだもーん。
主人公がどんだけ必至こいてかけずり回ろうが、警察が穴掘って死体探ししようが、
「違う違う。そいつ関係ないから。」「違う違う。そこに死体ないから。」と言いたくなる。
じゃあ、刑事コロンボよろしく先に犯人明かした倒叙ミステリーかというと、そうじゃない。
知的な駆け引きゼロ。心理的葛藤ゼロ。論理的思考ゼロ。やってるのは走るか殴るだけ。
いやもう単純に、主人公が冷静に周囲を説得すれば早々に事件は解決したんだよ。
お前が騒いだり暴れ回ったりするから事態がややこしくなっただけなんじゃねーの?

さらに言えば、『殺人の追憶』の時も思ったのだが、韓国警察の無能ぶりは見ていて腹が立つ。
なんだ?その、場当たり的な山狩りは。ちょっと車で運んだらどこだって死体捨てられるでしょうが。ちょっと頭使ったら分かるんじゃないの?ただでさえ時間が無いんでしょ?主人公を問い詰めれば、犯人の車だって知ってるし、家の鍵だって持ってるんだよ。
どうして主人公を「重要参考人」として扱わず「容疑者殴った奴」という扱いしかしないかね。

じゃあ警察の無能(機能しない警察)を弾劾した映画かというと、それも違う。
情緒に流れちゃうんだ。
まだ『殺人の追憶』は、社会派とも言える部分があった。
これは違う。最後は子供絡めたお涙頂戴。
じゃあ不条理ホラーかというと、それも違う。
だって被害者に感情移入できる描写なんてほとんどないんだもん。
じゃあサスペンスかっていうと、消去法でそうなるんだけど、瞬間だけだよね。
先に書いた通り、我々観客は神の視点を持たされてんだからさ。ヒッチ先生『鳥』の神視点とは意味が違う。

予告がすごく面白そうだったので映画館に足を運んだのだが、「韓国ナンバー1ヒット」「ハリウッドリメイク決定」という情報をちゃんと仕入れておくんだった。
そんなの俺好みのわけないじゃん!

ただまあ、映像的なセンスは悪くない。新人監督だそうだが、絵的な見せ方は上手いかもしれない。
話の見せ方は全然なってないけど。

日本公開2009年5月1日(2008年 韓国)125分


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