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ヤッターマン




監督:三池崇史/ユナイテッドシネマ豊島園/★4(70点)

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18禁
春夏秋冬いろんなジャンルの映画を撮る(同じ脚本家を使うことすら珍しい)三池崇史が言ったそうだよ。
「ヤッターマンを撮るまで死ねない」と。どこまで本気か分かりませんが。
「映画が好きなわけじゃない。仕事としてやってるだけ」と公言してはばからない三池崇史(それもどこまで本気か知らないけど)にとって、珍しい発言だと思うのです。
ま、何度も言いますけど、どこまで本気か分かりませんけどね。

オリジナル「ヤッターマン」はアヴァンギャルドだった。1977年。伝説のアヴァンギャルド漫画「マカロニほうれん荘」連載開始の年だ(偶然両者は同じ2年後に終焉を迎えている)。
そうか、時代がアヴァンギャルドだったんだ。「まことちゃん」が76年、「パタリロ」が78年。たぶん時代的には、赤塚不二夫が切り開いた世界が花開いた時期なんだと思う。
そんなイカレ文化を小学校高学年で浴びまくった世代が、俺らアラフォー。
あのね、アラウンド40歳を語る(分析)する際、何でも吸収する小学校高学年の原体験を見逃しちゃいけないよ。映画と全然関係ないけど。

三池崇史は一世代上の60年生まれだから、オリジナル「ヤッターマン」は高校生の頃のはず。
俺も小学生でなく、高校生でリアルタイムで「ヤッターマン」を観たかった。
それはもう確実に「見る所」が違ったはずだ。
実際最近、ケーブルテレビでオリジナル「ヤッターマン」を何話か見た。あまりの破天荒さにひっくり返った。
タイムボカンシリーズの中でも圧倒的にカッ飛んでいたことを最近知った。最近かよ。ていうか、大人になったからその凄さが分かるのだと思う。

その凄さをリアルタイムで知る三池崇史は、30数年かけて脳内で熟成されたイメージを実写に結実させた。
この実写化ヤッターマンに不満は微塵もない。
それどころか、映画史上にその名を残すべき傑作だとさえ思う。
いや、10年後、20年後、いやいや今ですら、「ヤッターマン」を知らない世代が観て面白いと思うかどうか疑問だけど。
それでも、この映画は語り継がれるべきだ。

何故なら、最も美しい時期の深田恭子を最も美しい形でフィルムに焼き付けたからだ。

フカキョンは不思議な女優である。
かれこれ10年見守り続けているが、こんなに成長した女優を他に知らない。
正直、最初の頃はかなり下手だった。事務所の力で仕事に恵まれ、場数を踏むうちに腕を上げ、同時に女も上げてきた。
所謂名女優というわけではない。どんな役もこなせる器用さもない。
だがいつしか、不思議と“彼女にしか出来ない役”が付いて回るようになった。
適役を引き寄せる魅力も女優の実力の一つだと思う。
イメージ的なことを言えば、ドロンジョは似合わないように思えた。年齢的なことを除けば、夏木マリ以外に考えられない。
だが、フカキョンは見事なドロンジョ様だった。適役と言っていい。
ドロンジョではなくドロンジョ“様”だ。深田ドロンジョ恭子様。

三池崇史自身がキャスティングしたかどうか分からないが、ドアップで舐めるようなカメラワークで登場する深田ドロンジョ恭子様を見れば、この映画が彼女を堪能する映画であることは明白だ。
三池崇史は高らかに宣言しているのだ。
内モモのサソリも、鼻血を出すヤッターワンも、全国の女子高生の皆さんも、全ては血気盛んな高校生時代に露出度の高いドロンジョ様を見て育った三池崇史の熱い想いの結実なのだ。
「ドロンジョが欲しいベェ〜」

2009年3月7日公開(2008年 タツノコプロ / ヤッターマン製作委員会 配給:松竹=日活)


ヤッターマン

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