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クローンは故郷をめざす




監督:中嶋莞爾/シネカノン有楽町一丁目/★3(60点)
(本家/公式サイト

好物の素材を味気ない料理で出された気分
サンダンス受賞脚本を気に入ったヴィム・ヴェンダースがエグゼクティブプロデューサー買って出たという触れ込みの映画。
でも監督は、ヴェンダースよりタルコフスキー好きなんだと思うような映画。

私の食指が動いたのはSFだったこと。
私は、知識もキャリアも浅いのですがハードSF好き。
SF設定がストーリーやテーマの根幹に関わっていなければならないと頑に思ってる。
そうした意味では立派なハードSF設定。
おまけに「記憶」「魂」という大好物な素材まで提示された。

しかし残念ながらこの映画、提示しただけで調理されてない。
いや、それなりに収束させてはいるんですよ。
しかし大好物な素材を提示され、それもタルコフスキー風に提示されたら、もっと味わい深い料理、もっと高みを目指してほしかった、と思ってしまう。

個人的な希望を言えば、「記憶」と「魂」の問題をもっと突っ込んでほしかった。
要するに『GHOST IN THE SHELL』を期待した。もしくは『惑星ソラリス』。
俺の瞬間大好きだ度ナンバー1・永作博美を投入してるんだから、そのエピソードをもっと広げれば、そうしたテーマを拾えた気がする。
あるいは、石田えりまで投入してるんだから、母体回帰の物語にしてもよかった。
言い方悪いかもしれないけど、雰囲気ばかり先行して何か本質的な物を捉えきれていない気がする。
まあ、新人監督に過大な期待をするこっちが間違ってるんだろうな。

いや、新人監督としてはがんばってるよ。出来は決して悪くない。
この監督、大化けするかもしれない。
もしかすると、素材を見抜く眼はあるけど調理下手なまま終わってしまうかもしれない。

2009年1月10日公開(2008年 日)

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