November 2018  |  01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

WALL・E ウォーリー




監督:アンドリュー・スタントン/新宿ピカデリー/★5(95点)本家

『トーク・トゥ・ハー』かと思った。擬人化の「使命」。
まず最初に文句を言います。映画というより宣伝に。
「700年ひとりぼっち」とかいう宣伝コピーですが、本質的に全然関係ない。
宣伝担当はこの映画を観てないんじゃないのか?

これは「一目惚れ」です。それとも孤独でなければ一目惚れしちゃいかんのか。彼女イナイ歴700年じゃないといかんのか。
白い球状のツンデレが出てきたら惚れるだろ、ロボットなら。キュベレイ見てみろ。あんな美しいモビルスーツは他に無い。ハマーン・カーンまでツンデレに見えるぞ。デレ見たことないけど。いや、Zガンダムの話はどうでもよろし。

私は常々ディズニーの“擬人化”は安易だと思っていて、ただ人間に見立てりゃいいってもんじゃない、と思っています。
中でもミッキーとかいうネズ公とそのスケが嫌いで、ミニーなんて何着ても似合わないし、キティを見習えって話ですよ。「役のためなら、あたし着るわ」という女優魂に感服しなさいって話ですよ。いや、そんな話もどうもでよろし。

しかし、この映画の擬人化は、ただ人間に見立てているだけでなく、ロボットの特性を活かしているんですね。
みんなロボットとして与えられた「使命」を完うしようとする。
ウォーリーもイヴもモーとかいうお掃除ロボットも、そしてオートも。
皆の「使命」が、ちゃんとストーリー展開の核になっている。
それこそ擬人化の「使命」、そのキャラクターに設定した意味があると私は思うのです。
もっとも、ウォーリーは「一目惚れ」してから使命を「尽くす」に変えてしまった気もするけど。

いやもう、その尽くし方はアルモドバルの『トーク・トゥ・ハー』を彷彿とさせる。
いや、させねえよ。そんなこと思う奴、普通いない。
でもね、その健気さをイヴ本人(本ロボット?)には断片的にしか分からせない所がいいんだ。
これみよがしに見せてお涙頂戴の鼻白む展開になりがちなとこを抑制した控え目さも好感。グッときます。
まず、その尽くしてる様もグッとくる。
これは、ツンデレ女に尽くす男の萌える話なんですよ!たぶん違うけど。

私はこの映画を「ロボット達を通じて人間が人間らしさを取り戻す物語」と読み解きます。
地球だ自然だ、と表面上のこれ見よがしな点だけを言ってるんじゃありません。
「ちょっとモニターから目を離してごらん。ほら、星空がきれいでしょ。水遊び楽しいでしょ。」ということを踏まえた上で、母なる大地に帰る物語だと思うのです。

そしてそれを誘導するのが、ロボット達に与えられた「使命」なのです。
イヴはもちろんのことウォーリーも。
さっき「彼女に尽くすことに使命が変わってる」と書きましたが、いえいえ、ウォーリーが己の使命を長年果たし続けたから“芽”が出るようになったんですよ。
見事な設定。

日本公開2008年12月5日(2008年 米(Disney=PIXAR))

comments

   

trackback

pagetop