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その日のまえに




監督:大林宣彦/新宿角川シネマ/★1(5点)
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大林宣彦の『崖の上のポニョ』の噂は本当だった!黒澤好き大林に『生きる』の題材を与えたら『どですかでん』にしてしまった珍品。(レビューはちょっとだけ『ポニョ』ネタバレも含むよ)
重松清の原作は読んでいて、必ず泣いちゃう話なんですよ。よほどのことが無い限り、例え紙芝居にしても泣いちゃうんだ。
そんな映画に興味は無かったし、今さら大林宣彦ってのもねぇ・・・ってんでノーマーク。
ところが、飛び込んできた“大林宣彦の『崖の上のポニョ』”の噂。
本作を観た信頼できる知人からは「ひどく老人臭がする」との情報も。
こ、これは、、、。気になって仕方がないので劇場へ。

そうは言っても、この原作ですよ。泣いちゃうこと分かってるんだ。
しつこいようだけど、よほどのことが無い限り、例え全部テロップで説明したって泣いちゃう話なんだ。

ところが、よほどのことが起きたんだな。

私個人の感想ですが、本作と『ポニョ』は大いなる共通点があります。
“観てる最中は激怒したけど後から思い出してみると意味不明シーンの連続で楽しくなってくる。”
ま、あくまで私個人の感想ですが。
ただ、お断りしておきますが、本作は圧倒的にツマランという大きな相違点もあります。

『ポニョ』は魚を水道水にぶち込むという荒技を平然とやってのけますが、本作では遺骨をエコバッグに平然とぶち込みます。しかも、遺族が白装束を着ているという謎の風習。
『ポニョ』ではママが自動車で暴走しますが、本作は全然どうでもいいサブキャラ「駅長君」が暴走します。駅長君の笑顔で映画を締める怪。
永作博美嬢と仲違いしている実家の兄はワザと一本調子の台詞回し。いよいよ妹の命が…って時は、両手に持ったにぎり飯をムシャムシャ喰う摩訶不思議。
困難な治療を見送るウンヌンのくだりが出てくるんだが、見送った理由は一切語らず、その会話をしている最中の医者(風間杜夫!)はずーっとゴルフのパター練習をしている難解さ。

そして決定打は、「死にゆく者」を題材にしているという共通項ただ一点で持ち出した宮沢賢治の詩。
原作に無いエピソードなんですが、まあ、それはいいんですよ。
ところがそれをやたら引っ張るんだな。
終いには、「死にゆく者」そっちのけで詩の謎解きを始める。果てはその詩にメロディー付けて歌っちゃう。それも3度も4度も。唐突にフルコーラスでミュージックビデオになっちゃう。

そして最大の驚愕点は、大林宣彦のやってることが30年前とビタイチ変わってないこと。
いいですか、アノ大林特撮を21世紀の今日恥ずかしげもなくバンバンやっちゃうんですよ。
それに加えて、歳くったせいか、様々なことがクドイ。
各シーンが長い、同じことを何度も繰り返す。だいぶ以前からヒドイことになっていたが、それに輪をかけてクドクなった。
もういいよ、分かったよ、といくら言っても聞いてくれない(<聞くか)

あの大林節を老人的クドさでやられたらすごい悪臭ですぜ。すごいよ、ホント。
なんだろうこの映画。大林ファン上級者向けなのかなあ?

2008年11月1日公開(2008年 角川・WOWWOW)

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