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悪い男




監督:キム・ギドク/CS/★3(63点)
本家

キム・ギドクの描く「愛」とやらは、なんだかいつも一方的な気がする
正直、「何が正解なんだか分からねえよ」というのが率直な感想。

なんだか、キム・ギドク作品はいつも同じような感想を抱くんです。
もっともたいして観ているわけでもないので、「いつも」というのは語弊があるのですが。

つまらんわけじゃないんです。
むしろ映像的には面白くて、つい見入ってしまう。
でも話が好きになれない。
話もつまらんわけでもないし、くだらないわけでもない。ましてや分からないわけでもない。
意図してることは理解できるのです。

おそらく、気持ちが乗らないんですわ。

たぶんファンタジーなんですよ。ダークファンタジー。
ただそれが、マッチポンプって言うんですか?勝手に火を付けて勝手に消してる感じがしちゃう。
ファンタジーたる設定が我々の日常感覚から飛躍し過ぎてて、気持ちがついていかない。
要するに対岸の火事。

だから、少しだけ私の理解しやすいように解釈してみよう。

おそらくこの話、男がかつて愛した女と「瓜二つの女」を見つけた所から話が始まっているのだろう。
それは破り捨てられた写真のクダリからも容易に想像できるが、それ以前に、ただ「いい女だったから」だけで強引なキスをするようじゃあまりにも低俗すぎる。男は彼女を見た瞬間、運命を感じたに違いない。

そして、「かつて愛した女」は既に死んでいるのだろう。
おそらく、その死因に男は深く関わっていて、彼が声を失う原因も彼女の死因と関係があるに違いない。
多分に文学的な解釈ではあるが、文学であったなら、この両者には絶対に因果関係がなければならない。
その因果関係があってこそ、彼が唯一発する言葉に表面以上の意味が生じるのだ。

あの海辺は、男にとって想い出の場所であると同時に、男の心象風景なのだろう。
赤いドレスの女が入水するのは、男の気持ちが、忘れられない「過去の女」から「今の女」にシフトしたとも受け取れる。

男の過去に何があったかは分からない。
男がヤクザだから女を死なせたのか、女が死んだからヤクザに身を落としたのか。
今の女への接し方から推測するに、男は女に憎悪を抱いているとも考えられる。
であれば、あの海での赤いドレスの女の入水は、男の感情が「憎悪」から「懺悔」へとシフトしたとも考えられないだろうか。

歪んだ愛の形の裏にある憎悪と懺悔の物語。
そう考えてみて、少しこの話に接しやすくなった気がする。

ま、何が正解なんだか分からねえけどな。

(2001年 韓国)

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